映画『Peace』/ 想田和弘 @ シアターイメージフォーラム
映像から多くのピースを感じることができる良い映画。
観察映画として、監督の妻の父や母の日常生活(主に体の不自由な方のボランティア)に焦点を当てたドキュメンタリー映画。
日常の中で、作者の義理の父が猫にえさをやるpeace、体の不自由な方を目的地まで運ぶpeace、年配の方(橋本さん)がタバコを吸う一時を表すpeace。
果たしてピースとは誰のどのようなものなのだろうか、そんな事を考えさせてくれる映画。
しかし、一方でpeaceとは誰の周りにもある身近なものである事も教えてくれる。
想田和弘監督の『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』を併読する事でより彼の作品の理解が深まる。
1シーンのDetailに数々の思考がちりばめられており、監督の思考の深さとドキュメンタリーの偶然性に感銘を受けた。
また、観察映画の前提として、既存の物事から大半を作り出すという、写真の連続帯の様な印象を受けた。
ドキュメンタリーとして、「テーマから映画を撮るのではなく、世の中を切り取った結果何か(表現したいもの)が現れた。」との監督の思考には写真に通ずる共感を覚えた。
今後は彼の他の作品の「精神」と「選挙」も観てみたい。
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