2007/08/03

サハラ

モロッコから帰ってきたのは、もう1ヶ月前の事だが、最近はバタバタと時間が過ぎているような気がする。
先週は会社同期の素晴らしい結婚式(にしだ、まおさんおめでとうね!)に出席するために久々にゆっくりと実家に帰ってリフレッシュしたが。やっぱ大阪はマイホームタウンいう感じがした。
最近は時間に後押しされているような気がする。これを書いている瞬間も金曜の深夜なのに何故か急かされている感じがする。以前よりも会社に居る時間は増えたかもしれないが。なぜだろう。


という事で、日記を辿り、モロッコでサハラ砂漠に行った際のあの自由な感情を取り戻してみようかなと思う。

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モロッコにて。
マラケシュで2泊3日の現地ツアーを組んでサハラに向かう。途中数々の街に立寄り、アルジェリアの国境近くの街に到達し、そこからサハラ入りを果たす。

サハラ。何もない世界。音のない世界だと認識する。
太陽の日差しが予想以上に強く、全ての水分を一瞬にして蒸発させてしまうだろうという感覚を持つ。
べっとりとした西日の中を、ベルベル人のハッサンが先導するアジア人で編成されたキャラバンは進んでいく。
時折、太陽の造影は実像よりもくっきりと映る。

やがて、砂丘の合間にいくつかのテントが見える。そこが、その日サハラを過ごす場所。

着いて間もなく、まだ熱の残る砂丘を駆け上がり、日が没する光景をみようと頂を目指す。
乾ききった砂に触れるたび、体の水分が奪われる。一瞬で喉がカラカラになり、下に水を置いてきた事を若干後悔する。

砂丘の頂に到達(結構達成感あり)し、辺りを見渡す。日が完全に没するまでにまだ時間はあった。大声を出してみたが、こだまはなかった。

何となく砂丘を背に仰向けになって空をみた。
左方に、次の夜には満月になっているであろう月。右方に、マンガのような分かりやすい星。空の色は右方だけやや赤みがかった深いネイビー。背中には昼間太陽に照りつけられ熱せられた砂の余温があった。

耳を澄ました。音がなかった。虫の音も、風の音もなかった。無の空間だった。

音のない空をずっとみていると、時間がたったような気がしてはっと起き上がった。

西方は赤とネイビーのグラデーションが出来上がり、自分を中心とした半径100KMは音のない、無の世界が広がっているという実感を持ってしまうほど壮大な光景が広がっていた。