2012/04/19

映画『チェチェンへ アレクサンドラの旅』

チェチェン・アレクサンドラの旅

終わりのない戦争。何のために。ロシアがチェチェンを独立させないため。ロシアのエゴ。そんな事を感じた映画だった。直接的な戦闘シーンはないが、チェチェンの最前線にある、ロシアの軍事キャンプを撮影している。この紛争、戦争に至る背景、場所等に関して何の説明もなされていない。

祖国とは何か。祖国のため。ロシアの女はカネ、テレビを見すぎる。

武器や暴力で真実を表すことはできない。
日本人の老女が語っていた。重要な事は理性だ。終わりのない物事は一切ない。

破壊ばかりしていて、建設はいつ学ぶの?

チェチェン人の少年は、いつ解放されるのかアレクサンドラに尋ねる。
アレクサンドラはその少年に、行きたい国はどこかを尋ねる。彼はメッカか、サンクトペテルブルクと答える。そこで、彼はイスラムを信仰している事を知る。事実、チェチェン人の大半はイスラム教を信仰している。

チェチェン人の女性はアレクサンドラを家に連れて温かく迎える。

チェチェンの伝統とは、家財を売り出しても、他者を迎え入れる事。

何を感じるのか。現在も行われている、戦闘状態。ロシアが現にチェチェンに侵攻している状態である事。

それは第二次世界大戦を描いている、自らの現況と異なると認識した上で見る戦争映画ではない。

リアルタイムで起きている事実。
実際のキャンプで撮影が行われている。
言論統制が成されているロシアで、このような映画を撮影し、許可でる事は意外だという印象があるが、直接的な事実に触れていない。
間接的に、何かを伝える。その読み取り手に様々な解釈があるが、描写によって、確かに何かを伝えようとしている。

理性が大切である事。
何も敵対的な感情を持っていない。早く解放されたいと少年は言う。チェチェンの老女の家族は、ロシア軍に殺害されている。でも、ロシア女性を家に迎え入れる。訪問者をもてなす心。彼らチェチェン人にはそのような心を持っている事を映し出している。

現実を知る事。ロシアの劇場爆破事件、チェチェン人が起こしたテロ行為だと表明している。現実はどうか、ロシアが自作自演で企てた犯行等、いくつかの諸説が飛び交っているが、未だ真実が分かっている事ではない。少なくとも日本のメディアは、チェチェン人の起こした犯行であると伝えていた。
テロ=イスラム過激派という構図が最近ではとても一般的になってきて、それはメディアを通じた知識である。
対テロ戦争の大義名分の元、ロシアはチェチェンに侵攻している。
四国程の面積。

そこがロシアではない事を、アレクサンドラがバザールに赴き、老女と話した時に明らかになる。

リアルを知る事。それは今の自分の立ち位置を認識する上でとても重要な事。自分は何をすべきか、だからこそ今自分がする事。この事象に対して、自分は何かする事が出来るのか?直接的には非常に難しいかも知れない。

チェチェンの失業率、78%。
産業も成り立っていない。

原油に依存している経済であるため、原油価格の乱高下もダイレクトに影響を受ける経済。その他の主要産業も整っていない。産業が復興していない要因としても、これまでのロシアとの紛争が考えられる。

1、ロシアの石油資源の権益確保。
2、ロシア連邦の統制。