2004/12/26

子供兵

何かと並行してやる事が多い今日この頃。先日、学生サークルが主催する平和を考えるイベントに参加した。

イベントの目的は世界中で起きている内戦や戦争に、子供も兵士として戦争に参加している事実に焦点を当て、皆で考えようというものだった。

講師として実際にウガンダで子供兵についてのフィールドワークをした方が来ていて、少年・少女兵の軍隊を除隊した後の実際のインタビュー映像を流し、その現実を語ってくれた。その映像中の、除隊した子供の表情を見ると、あまりに一般の子供の表情からかけ離れている印象をうけた。何か深い悲しみと恐怖を通り越したような目をしていた。その地域(ウガンダ北部)の子供は軍の拉致により強制的に子供兵にされるケースが多い。映像中の子供たちも、夜寝ている時、村に侵入してきた兵士に拉致され子供兵として軍に入隊させられる事が多かった。

インタビューを受けた元少年兵の一人は次のような経験をした。
一度拉致された後にもう一度軍の兵士と家族の元まで戻り、軍の兵士は少年に次のように強要する。
「母親を殺せ」。しかし、少年はそんな事はできず。すると軍の男はナタを持ってきて少年に、「このナタで母親の腕を切り落とせ。もししないなら、お前も家族も全員殺す」という。あまりの恐怖に少年はナタで母親の腕を切り落として再び軍に連れて行かれる。少年は、絶望感と共にもう家族の元に帰れないと思う。
非常にむごいが、本当にある話しなのだ。

子供を兵士として軍が利用する目的として大人の兵士よりも従順で、扱いやすく、洗脳する事により良い兵士になっていくと考えている。子供兵は前線に配置されるので地雷の被害などを受けやすい。また彼らが何らかのきっかけ(怪我や逃走)で元の生活に戻っても、通常の人のように生活するのは難しいと言う。

この問題を解決するために
(1)子供兵の発生防止
(2)除隊後の子供のケアがある。

(1)として、子供兵が発生する要因の一つに武器の軽量化があり、その点で先進国が深く関わっている。子供の体力でも簡単に扱える軽量武器製造の88%は先進国の企業である。近年では製造の効率化により、以前よりも安価で戦闘地にそれらの武器が送り込まれている。この点を何らかの規制により先進国企業に圧力をかけなければならない。

(2)として、除隊後の子供に対して社会復帰させる環境作りが必要である。具体的にはケアセンターの設立である。今回の講師として来られた方はウガンダのケアセンターに訪れ、除隊後の子供たちにインタビューしていた。それには子供兵の現実を知らせると共に、センターの内容充実の目的があった。

(1)、(2)を実行するにしてもまず多くの人がこの現実を知ることが重要である。現実を知らない限り、次の一手がうてないからだ。少しでも多くの人が子供兵の現実を知り、個人個人の尺度で考えてほしいと思う。

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