2013/09/16

書籍『こころ/夏目漱石』

精神的にすがる思いで一気に読んだ。
気がついたら明け方だった。

 「先生」が「私」に伝えたかった事は何なのだろう。 

生きること。
人間は正しく、真っ当に生きること。

 裏切り、憎しみ、悲しみ…、人が生きて行く上で避けたいもの。
でもそれらは生きて行く上で時として避けられないもの。

 避けられず悩み、苦しみ、自ら命を絶った「K」と「先生」。 

人生において予期せぬこと、まさかこんな事が自分に降りかかってくるとは、こんなにも壮絶な苦しみが世の中に存在したのか。
経験して初めて知るおぞましさ、後悔。 

できればそれらを避けて一生を終えたい。
出会い、別れも何とか年輪を重ねた経験から想像できる範疇の喜び、悲しみで留めていたい。

ただ、人の一生は予期できぬこと、自らの過去の経験から何かを得てもその多くは未来に応用は効かぬもの。

 でも、他人の一生から何かしらのヒントは得られるもの。

だから我々は学ぶ。人の中で生きる。 
きっと「先生」は「私」に対して、その「生きるためのヒント」を与えてくれたのだと思う。

 「私」はそのヒントを受けて、また、生きていかなければならない。

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