2004/08/13

世界報道写真展2004

 今日,ハービス大阪で開催中の世界報道写真展2004に行って来た.
昨年は行きそびれたので,2年ぶりの報道写真展だった.
今回はイラク戦争を中心とした世界の内戦・紛争など,普段日本のメディアから知る事もない事実を切り取った写真も多く展示されていた.
 エンターテイメント部門やスポーツ部門などでは,色使いや構図においてすごいセンスを感じる作品があったが,一番衝撃的で現実を見せ付けられ,自分の感情を揺さぶり,鬱になるほど考えさせられる作品は普段の僕の生活からは接する事のない人の表情だった.
 イラク戦争でのバグダット空爆による,父(夫)を失った家族の表情は,その瞬間の悲しみよりも,将来に対する絶望感,戦争を疑問に思うような余裕も与えず,ただ一方的に事実を突きつけられ,その形のない,敵かどうかも分からない物体に自分たちの人生が奪われていく.そんなありえないような事が実際にはある.
 リベリア内戦において,やるかやられるかの極限状態で,ある兵士が反政府軍に対しての攻撃が成功して,喜んで飛び跳ねている瞬間と説明されていた写真があった.確かに自分が撃ったロケット弾が敵に命中して飛び跳ねていたが,男の表情は(自分がやったことを次には誰かにやられる)という恐怖心が前面に出ていて,その感情の高鳴りが伝わってきた写真だった.
 
 この前の流れ星の話じゃないけど,この地球からはどこからでも星を見ることができる,イラクでもリベリアでも流れ星は見れる.僕らが見ている星から地球をみたらどうだろう?きっととてもとても短い距離で全く違う世界が広がっているなんて思いもしないだろう.やっぱりこの地球で生きている,生きていくからには地球のことを知るべきだと思う.同じ人間のことを知るべきだと思うし,この地球を良い方向に向かわすべき使命は全人類の遺伝子に組み込まれてるんじゃないんかな.少なくとも今日の展覧会の出展者(カメラマン)にはその遺伝子が含まれているわけやし.
今日は,地球規模の視点から自分を見つめなおして,方向性を考えていく良い機会になった.と同時に少し鬱気味になってしまった.

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