2004/08/03

企業の物流について

 昨日,研究会があり松下の物流部門の方が来られて松下のSCMについて講演していただいた.
専門的,かつ具体的に松下のSCMを語っていただいたが,それはやはり松下の持つ製品,工場立地,市場に併せた物流システムであり,経験的な部分が相当加味された物流システムだと感じた.
複雑でかなり改良されていたからだ.
 この前,WBSでトヨタについて特集されていたが,そこでもトヨタはカンバン方式を大々的に一般に対して公表している.トヨタの張社長は実際にそのシステムを使っているトヨタ社員そのものに価値があるので,その方式が一般に漏れても大丈夫なのだという.システムのノウハウを理解した社員に自信を持っているのだろう.確かに映像でも流れていたが,システムを理解し使いこなせるようになるだけども相当時間を要するようだった.そのシステムが浸透した社員が育成されてきた事で,彼らを管理する役職も必要なくなったのだという.トヨタのカンバン方式に関してもトヨタの製品,工場立地,市場にマッチングされたシステムを構築しているので,いくら他社がトヨタと同じシステムを導入してもうまくいくとは限らないのだろう.その都度問題点を解決して,長い失敗→反省→改良の作業を繰り返し,完成したのだろう.
 という事で,僕が企業の物流に対して持った感想は,物流システム自体にその都度の柔軟性が必要であり,日々改良されているという事.ある成功した企業の物流システムを絶対視してはいけないという事.なぜなら,物流システムはその企業のもつ製品,工場立地,市場を加味した上で構築されているから.



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